小出裕章ジャーナル

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プルサーマルの危険性「プルトニウムを混ぜるというようなことをすれば、より危険が増えてしまう。そのことはもう争う余地がなく当たり前のことです」〜第116回小出裕章ジャーナル



ラジオ放送日 2014年3月27日〜4月4日
Web公開 3月30日
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西谷:
今日は、「今一度、原発再稼働とプルサーマルを問い直す」ということでお送りしたいと思いますが、とんでもない内閣ですね、小出さん。

小出さん
ほんとに呆れ果てた内閣です。

西谷:
川内原発、そして高浜原発、これ福井県の高浜なんですが、ここは、プルサーマルができる原発ですよね?3号機、4号機。

小出さん
そうですね。

西谷:
今一度、このMOX燃料というのをちょっとお聞きしたいのですが。

小出さん
普通の原子力発電所はウランを燃料にしているのですが、そのウランにプルトニウムも混ぜて燃料にして使うという、そういう燃料のことです。

西谷:
単純に疑問なんですが、普通のウラン燃料棒でも非常に危ないと思うのですが、このプルトニウムを混ぜたMOXの燃料棒というのは、通常の燃料棒として大体何倍ぐらい危険性があるんでしょうか?

小出さん
倍率で聞いて頂くのは大変難しいと思いますが、例えばそのウランが持っている放射線の毒性とプルトニウムが持っている放射線の毒性を比べれば、約20万倍危険。

西谷:
20倍じゃなくて、20万倍?

小出さん
そうです。

西谷:
20万倍も危険な物なんですか?

小出さん
はい。

西谷:
これを例えば、関西電力の高浜原発では使おうとしてるんですね?

小出さん
はい。

西谷:
今ですね、核のゴミが問題になってるじゃないですか?

小出さん
はい。

西谷:
普通のウランの燃料棒の使用済みの燃料棒とMOXの使用済みの燃料棒で言えば、大体どれぐらいの期間、よく言いますよね、10万年~100万年とか言いますが、MOX燃料の場合はウラン燃料棒よりも、さらに長い期間置いとかないと安全にならないんでしょうか?

小出さん
はい。原理的にはもちろんそうなります。ごく短い間の保管ということに関しても、日本の普通の原子力発電所でできてきた使用済み燃料というのは、数年後には再処理工場に運べるという、その程度の発熱だったのですが、MOX燃料の場合には、ウラン燃料に比べて発熱量が高いので、おそらく数年ではなくて、数十年間は原子力発電所の敷地から動かせなくなると思います。

西谷:
ということは小出さん、今回の福島事故で明らかになったように、燃料プールってものすごく危ないじゃないですか?

小出さん
そうです。

西谷:
通常でも数年置かないといけない物をMOXの場合、数十年ですよね?

小出さん
そうです。

西谷:
福井県って地震起こるじゃないですか?

小出さん
そうですね。

西谷:
かなり高浜って危ないですよね?そしたら。

小出さん
はい。もともと普通のウランを燃やす原子力発電所でも危ないと思いますし、それにプルトニウムを混ぜるというようなことをすれば、より危険が増えてしまう。そのことはもう争う余地がなく当たり前のことです。

西谷:
なんかもう正気の沙汰とは思われないんですけどもねえ。この輸入したMOX燃料というのは、通常のウラン燃料の9倍も高いって聞きましたが、これ本当でしょうか?

小出さん
本当です。

西谷:
なんという…

小出さん
ですから、やればやるだけ電力会社は損をするのです。

西谷:
しかし、やるわけでしょう?

小出さん
はい。

西谷:
これ総括原価方式やから、燃料の一部は電気料金に転嫁するんですよね?

小出さん
もちろんです。電力会社としては何の損もしないのですけれども、その分、私たち消費者が負担させられるということになります。

116-koide

西谷:
この普通のウラン燃料よりも9倍も高いというのは、やっぱりこの造るのにものすごい技術がいるからなんでしょうか?

小出さん
はい。プルトニウムという物質というのは、天然には全くなくて、原子炉を動かして造らなければいけないのですが、それを再処理という所で取り出すという作業も、もちろんしなければいけないのです。

西谷:
本来、日本では六ヶ所村でやるということになってますよね?

小出さん
取り出そうとしていたのですけれども、六ヶ所村の再処理工場はトラブル続きで、まだ動いていないのです。とても難しい技術ですし、大きな危険を伴う技術ですので、なかなか上手くいきませんし、何とかやったとしても、膨大なお金がかかってしまって、そのプルトニウムを使うと燃料代が上がってしまうということになります。

西谷:
何も良いことないですね。

小出さん
はい。何も良いことないのですけれども、この日本という国ではプルトニウムを取り出して、未来の原子炉でそれを燃やして燃料にすると言ってきたのです。その未来の原子炉というのが高速増殖炉という名前の原子炉でして。

西谷:
破綻してますよね?

小出さん
日本ではもんじゅというちいちゃな実験用の原子炉を作ったのですが、全く動かないのです。そのため、高速増殖炉で燃やすと言って取り出してきたプルトニウムが、使い道のないまま余ってしまっています。そのプルトニウムというのは、長崎に落とされた原爆の材料でして、今現在、日本は高速増殖炉の燃料に使うとして、47トンのプルトニウムを保有しているのですけれども、それで長崎型の原爆を造ってしまうと、4000発分もできてしまう。

西谷:
4000発?

小出さん
はい。そんなプルトニウムを使い道のないまま持っておくということはもちろん、他の国から見れば大変な脅威になるわけで、日本というこの国は、使い道のないプルトニウムを持たないと国際公約させられているのです。でも、もんじゅを含めて高速増殖炉が全く動きませんので、とにかく何としても燃やしてしまわなければいけない。そのためには危険を承知で、そして経済性も全くないことを承知の上で、普通の原子力発電所で燃やしてしまうということになってしまったのです。

西谷:
今ですね、青森県でですね、大間原発というものが造られようとしてますが。

小出さん
そうです。

西谷:
ここは、フルMOXと言われてますが、これは本当でしょうか?

小出さん
本当です。現在、プルサーマルと呼ばれてるような計画で、高浜原発であるとか玄海原発であるとか、あちこちで、そのプルトニウムを燃やそうとしているのですけれども、それでも、今現在は炉心の中の全部の3分の1までしかプルトニウムは入れてはいけないということでやっているのです。

西谷:
3分の1まで。はい。

小出さん
はい。そうなると、燃やせるプルトニウムの量が限られてしまいますので、なんとか大量に燃やせる原子炉を造らなければいけない。

西谷:
危ないこと考えて…

小出さん
はい。ということで、大間という所の原子炉が生まれたのです。福島の人達は大変な苦難の底に沈められたままなわけですけれども、大間の原子力発電所で同じような規模の事故が起きる。あるいは六ヶ所村の再処理工場では、さらに大きな事故が起きる可能性もあるわけです。そういう事故のことはあまり想像したくありませんけれども、でも、人間が望もうと望まざるとに関わらず事故は起きるわけですから、覚悟はしておかなければいけないと思います。

西谷:
はい。止めさせなきゃいけませんね。絶対に。

小出さん
はい。

西谷:
なんとか頑張っていきたいと思います。

小出さん
そうですね。

西谷文和: 今日はどうもありがとうございました。

小出さん
はい。ありがとうございました。



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