小出裕章ジャーナル

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汚染水の状況「未だに350トンもの汚染水が毎日増え続けるという、そういう状況になっています」〜第113回小出裕章ジャーナル



ラジオ放送日 2014年3月6日〜13日
Web公開 3月7日
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湯浅誠:
東日本大震災、あるいは福島第一原発事故から4年が経とうとしているわけですけれども、今のところ、核燃料まだどこにあるのかも分からないという感じですが。

小出さん
そうです。

湯浅:
汚染水問題の方も難航しているようで当初、年度内に処理するというふうに言っておったわけですが、その浄化処理完了の見通しを5月中に延期したということで、この汚染水処理問題の現状、そして、これからについて小出さんに伺いたいと考えます。まずなんですけど、おさらい的でまた恐縮ですが、現在、汚染水の状況っていうのはどうなっているんでしたっけ?

小出さん
一言で説明するの大変難しいですけれども、要するに、どうしようもない状態になっている。なぜ、その汚染水なんてものができてきているのかということですけれども、溶け落ちた炉心が今どこに、どんな状態であるかすらが分からないのです。

事故から4年経っていますけれども、それがまず分からない。ただしこれ以上、炉心を溶かしてしまうことは許されない。そうすれば、また大量の放射性物質が出てきてしまうということで、何をやってきたかと言えば、この4年間ただひたすら水をかけ続けてきたと。どこに溶けた炉心があるのか分からないけれども、圧力容器の中に水をとにかく入れようということで、4年間ずっとやってきたわけです。

そうなれば、入れた水が放射能で汚れた汚染水になってしまうということは当たり前なことであって、入れれば入れるだけ汚染水が増えてしまうということになってきたわけです。途中から、ただ外からかけるだけではダメだろうということで、「循環冷却という形で、グルグル回せばいいんじゃないか」と、東京電力も国も思ったわけですけれども、残念なことに、福島第一原子力発電所は2011年3月11日に巨大な地震に襲われてしまったわけで、原子炉建屋でも何でもそこらじゅうにヒビが入っているのです。割れてしまっていて、外部から地下水がどんどんどんどん建屋の中に流れてきてしまうのです。

そうなると、その外部から流れてきた地下水が、放射能の汚染水と渾然一体となってしまって、どんどんその量が増えていってしまうということになってきました。ついこの間までは、毎日毎日400トンずつ汚染水が地下水が流入してくるがために増え続けてしまうということで、東京電力は福島第一原子力発電所の敷地の中に、汚染水を溜めるタンクというのをどんどん造ってきたのですけれども、もう既に50万トンを超えるような汚染水が溜まってしまっているのです。

このままではいけないということで、上流から流れ込んでくる地下水を途中で汲み上げて、原子炉建屋の方に行かないようにしようということをバイパスと言ってるのですけれども、それもやり始めたのですが、そんなことで減らせた量はほんのわずかで、未だに350トンもの汚染水が毎日増え続けるという、そういう状況になっています。

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湯浅:
地下水の流入を止めるための凍土壁という話もありましたが、結局難航してまだ実施されてないんですよね?

小出さん
そうです。私は、もともとできないと思っています。凍土壁って、普通皆さんがあんまりお聞きになったことないと思いますが、例えばトンネルなんかを掘ろうとすると、地下水が工事現場に噴出してきたりするわけですね。そういう時に、噴出してきたその現場をとにかく凍らせて、水が噴き出してこないようにしようという技術で、かなり長い期間、実績があるのです。

ただし今回の場合には、深さ30メートル、長さにすると1.4キロもの壁を造らなければいけないということで、そんなことはやったことないわけですし、凍らせるためにずっと冷媒というのを流し続けなければいけないのですが、そのためには冷凍機が動かなければいけない、ポンプが回らなければいけない、いついかなる時も停電してはいけないというようなことになるわけで、そんなことを何年、何十年と維持できるわけがないわけで、必ずこれは破綻します。

湯浅:
なるほど。そうすると、蛇口を閉められないまま水は出続けており、バケツに溜まったものをタンクにかき出し続けて50万トンだという状態ですよね?

小出さん
はい。

湯浅:
これが高濃度汚染水なので、なんとかそれを今度は高濃度の核物質を取り除こうということで、アルプスですか?

小出さん
そうです。

湯浅:
多核種除去設備を導入したわけですが、これも結局、フル稼働は難しい状態がずっと続いてますよね?

小出さん
そうなんです。それにも根本的な理由があるのです。福島第一原子力発電所の敷地の中は、もう放射能の沼のような状態になってしまっていまして、そこに入れば、みんな被ばくをしてしまう。労働者が作業をしようとすれば、どんどん被ばく量が増えてしまうのです。ですから、アルプスにしてもキチッと運転できるように、まずは装置を造らなければいけないわけですけれども、キチッと装置を造ろうと思えば思うほど、労働者は被ばくしてしまう。

ですから、なんとかその簡易的に装置を組み上げたいと思うわけですし、そうせざるを得ないわけで、そのような状況の中で装置を組み立てていますので、あちこちでまた壊れてしまう。タンクとタンクの間を結んでる配管もキチッとした配管ではなくて、ホース等で繋いでいますので、簡単にまた漏れてしまうというようなことになって、ほんとにその苦しい状況の中で作業はしているのですけれども、そうであるが故にキチッと動かないという、そういう状況になっているのです。

湯浅:
なるほどね。そういうことでこの間、先日、死亡事故も起きてしまい、年度内と言っていたのを5月に延期すると。5月中も実現するかどうかという感じですけれどもね。

小出さん
私は断言しますけれど、できません。もともと年度内なんてできる道理もなかったのに、ただただ安倍さんがオリンピックを誘致するがために、アンダーコントロールというようなことを言ったわけで、それのツケと言うか、なんとか少しでもやれと言われて東電が年度内と言ったわけですけれども、もともとできないことを言ってるわけですし、5月と言ってもそんなもの到底できません。

湯浅:
なんか根本的にコントロールできないものを相手に、その上でいろんなことをやっているわけですからね。

小出さん
そうです。

湯浅:
弥縫策にはやっぱり限度はあって、コントロールしきれない状態が続いているということですね?

小出さん
そうです。はい。

湯浅:
小出さん、今日もどうもありがとうございました。

小出さん
はい、ありがとうございました。



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